えんだより 2月 巻頭言
「え~!卒園までもう二か月ないのですか~」。毎年2月になると当たり前のことですが、改めてさくら組の皆さんとの別れを惜しむ寂しさが心から湧いてきます。もちろん私もその一人です。当たり前だった日々が、ある日から変わることはとても辛いことです。しかし、その出来事を通るからこそ与えられる新しい出会いと喜び、そして成長があります。かつてあるカトリック修道院では挨拶として「メメント・モリ」というラテン語が交わされていました。直訳は「自分がいつか死ぬことを覚えよ」となりますが、「どのような物事もいつか終わりが来ることを忘れないように」との意味です。つまり、もし私たちが物事を始める時に、それを行う目的や終着を知り、時が限られていることを心に留めて取り組むなら、同じ時間でもその時が実に有効な時間となることを大人は経験から感じることができるでしょう。でも、子ども達にとっては、これからが正に人生の本格的な学びの時となります。ですから、「あーあの時、もっとこうしておけば良かった………」と沢山の後悔や胸に痛みを覚えることは、これからの人生で実はとても大切な宝となり得る痛みです。この幼稚園の職員も限られた時を思い、子ども達と接することが許されている限られた時間を、ぜひ大切に過ごしたいと願っています。
今月は「恵み深い主に感謝せよ」を愛唱聖句として園児たちと覚えます。振り返るとつい、「あの時にああすれば良かった………」などと悔いを覚えることの多い私たちですが、イエスの示された神というお方は、「全てのことを益に変えて下さる(ローマ8:28)」ことを思い起こしたいものです。そして時間が限られていることに気づいた時にこそ、今できることを精一杯に取り組み、まだ関わることが許されていることに感謝し、悔いの少ないよう過ごしたいと願っています。これから子どもたちと沢山接し、ハグし、心の中にイエスさまの愛が注がれることを祈り、過ごしたいと願っています。
園長:友納靖史