常盤台めぐみ幼稚園

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えんだより 11月 巻頭言

この教会と幼稚園の二代目牧師・園長であった戸上信義先生が10月21日に85歳で、地上での生涯を終え、天に帰られました。数か月前から別の用件で福岡帰省を予定していた最終日に葬儀が重なり、滞在時間を延ばすことで(10月の誕生会に参加出来ず残念でしたが)、地上で最後のお別れをさせて頂くことが叶いました。戸上牧師は常盤台で17年間の働きを担われる前まで、ブラジルの日系人のための宣教師として派遣され、素晴らしい働きを担っておられ、小学生だった私にとっても戸上先生は特別に尊敬する方でした。ある時、先生のご長女の趣味「キーホルダー収集」と私も同じだったことを覚えていてくださり、一時帰国の際、「ピラニア〈ブラジル・アマゾンに生息する歯の鋭い肉食魚〉」のはく製キーホルダーをわざわざ私に持ち帰って下さり、先生の優しさと心配りに感動したことは生涯忘れられない思い出となりました。もう一つの思い出に、大学生時代、戸上先生を常盤台へお訪ねした際、お忙しい中、近くの店で公子夫人と共にランチを振舞って頂いた時のことです。たぶんピラフだったと思いますが、お皿の上のスプーンですくえない最後のライスを、もう一方の親指を添えてスプーンに乗せ口へ運ばれるご夫妻の姿が、当時の私には衝撃的でした。きっとブラジルでは普通の習慣なのでしょうが、食べ物を手で触ることは行儀の悪いことだと教えられていた私には、紳士淑女のモデルであった戸上先生ご夫妻の行動が奇異に見えたのです。ですが、今思い返すと、その出来事を通して、自分の知らない異文化を受容し、適応する大切さへの心の目が開かれ、大げささかもしれませんが、広い世界を見る心の窓が開かれた、一つのきっかけとなったように思います。

様々な人たちとの良き出会いが、子ども達をどのように成長させるチャンスとなるのか大人にさえも分からないことがあります。成長感謝礼拝を迎えるこの月、成長を喜んでくださる神さまに与えられる日々の出会いを期待して過ごしましょう。

園長:友納靖史

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