えんだより 12月 巻頭言
2017.11.30
「毎日がクリスマスだったら、我が家も世界も平和だろうな…」(「ある子どものつぶやき」より)
クリスマスの季節、不思議と多くの方々の心が穏やかに優しくなる時だとも言われます。聖書には神の子・救い主なるイエスさまの誕生に際して起きた不思議なことが語られます。母マリアへ、人間の理解を遥かに超える方法でその身体に命が与えられ、更にその子に託された人生の使命が告げられた時、どれほど驚き、戸惑っただろうかと、想像に難くありません。たとえマリアでなくても、母親という存在は、与えられた子どもと共に過ごす出産前も後の時間も、ハラハラ・ドキドキは尽きることはないことでしょう。自らのお腹を痛めて生んだその子どもが、その後の人生において幸せになるためには、どんな痛みを伴う犠牲を払ってもそれからも支え続けたいと願い歩む母親の姿に神の愛の姿が重なり、無条件の愛、真実の愛を知る方は少なくありません。数日前、三浦綾子原作「母」という映画を観る機会が与えられ、わが子に対するその愛の姿に深い感動を受けました。小林多喜二の死後、彼の母は、人類の罪を身代わりとなって十字架を担ったイエスの母マリアの姿と自らを重ねた時に、初めて彼女が人生で背負うことになった苦悩の意味を知り、癒される体験をしたことが描かれていました。
聖書のクリスマス物語の一つ一つには、人生の課題や痛みを乗り越えるために必要な力、神からのメッセージが隠されています。今年のクリスマスページェントにおいて、託された役を精一杯演じる子ども達から受ける沢山の感動と喜び、そして神からのメッセージが、皆さんのこれからの日々の力となられることでしょう。ぜひこのクリスマス、ご家族で幼稚園や教会の諸行事にご参加ください。
園長:友納 靖史