常盤台めぐみ幼稚園

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えんだより 3月 巻頭言

 「泣いている子どもがいると、側に近づいて、『なぜ泣いているのか』と尋ねるのではなく、泣きたくなるほどの子どもの心情に寄り添いながら、そっとハンカチを手渡すことのできる人になって欲しい」

この教えは、明治生まれで日本における幼児教育の先駆者として大きな役割を担った倉橋惣三(ソウゾウ)先生が、教師となる者に語ったものです。子どもたちがいったいどのような人と出会い、どのような環境に置かれるかによって、心が豊かに育つか否かを倉橋氏は見抜いていたようです。先日、文部科学省が発表した「新・幼稚園教育要領」を学ぶ研修会の結語で、今の教育の方向性を不安に思う講師の方より、この有名な言葉が紹介されるのを聞きならが、ハッとさせられました。なぜなら第一に、言葉以上に必要とされる無言で子どもたちと関わることが私には出来ていただろうか…と自らの姿を反省させらされたからです。第二に、ここ一週間、連日のように報道される、関西のある幼稚園の戦時中の海軍を模範とした教育に驚きつつ、一体私たちの大切な国、日本はどこへ向かっているのだろうかと不安を覚えたからです。

このめぐみ幼稚園に集う子どもたちにはまず、ハンカチを誰かから渡して頂く優しさに接することのできる園でありたいと願います。しかし何よりも、いつの日か、そっとハンカチを手渡す人となる、その子にはその子の時があることを信じて、優しく見守っておられる神さまがおられることを伝えられる園でありたいと心から願い祈る者です。

いよいよもうすぐ卒園式。ハンカチの出番です。

園長:友納靖史

 

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